■あらすじ■
柄の悪いOLのシイノは、彼女の死を知りある行動を決意した。女同士の魂の結びつきを描く鮮烈なロマンシスストーリー!
(Amazonより)
⬛︎ネタバレ注意⬛︎
読みながら書いているとりとめのない感想メモ。
すでにこの本を読んだ事がある人向けです。
父親に虐待されていた親友(マリコ)が自殺した事をキッカケに、主人公が遺骨を盗んで旅に出る話。
良くも悪くも色んな意味の「勢い」と「汚さ」を感じる話だった。
丁寧で繊細な絵柄と言うよりは荒々しくて力強さを感じる絵柄だから、主人公の勢いやまともじゃない感情の揺れ動きがわかる。
題材が題材だけに泣くシーンが多くてそれがとても綺麗な泣き顔とは言えなくて、単純な見た目の汚さもあるけど(個人的に鼻水がでろんでろんに描かれる漫画が苦手って言うのもある)、マリコに対する想いやマリコからの想いの中に人間の汚さとか醜さもしっかり見えてそういう汚さも描かれていた。
最初は主人公がマリコをとても大事にしてたから、素直で可愛くて大好きだったマリコをあんな父親の所に置いておけないと遺骨を奪ったのかと思ってたけど、読み進めていくうちにマリコのヤバい部分もどんどん明るみになってくる。
マリコは歳を重ねるごとにメンヘラ全開になっていきシイノに「好きな人を作ったら死ぬ」と脅す割には自分には彼氏がいたりと矛盾してる女だった。
愛され方がわからないから自分を傷つける行動をとることでシイノがこっちを向いてるのを確かめてる。
マリコにはシイノしかいなくて、シイノにはマリコしかいない。一言で親友とも恋愛ともカテゴライズ出来ない執着の狂気を感じる関係性。
シイノはモラルとかマナーがいいと言えない行動や言動が多く、勢いだけで行動してばっかりでそこが度々引っかってしまう部分があり共感は出来なかった。
人間臭さの描き方がすごいけど、私とは価値観が違う人間過ぎて刺さらなかった。
現実的な見方で読んでしまったので「包丁で人を切りつけて遺骨を盗んで、その遺骨で人をぶん殴って二度と戻らない形にしたのにお咎めなしなの?」と思ってしまった。
「創作は創作」として割り切った目線で読むべき漫画だったのかも。
結局謎な部分は謎のまま終わる(シイノはわかるのかも)ので、スッキリ爽快な話を読みたい人には向いてない。
でも大事な部分は書かない事で読み手に色々想像させるような作品が好きな人には堪らないと思う。
累計:8,394 円
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