100万円分本を読む:54冊目:ものがたり洋菓子店 月と私 ひとさじの魔法 感想 ※ネタバレ注意

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ものがたり洋菓子店 月と私 ひとさじの魔法 (ポプラ文庫)

ものがたり洋菓子店 月と私 ひとさじの魔法 (ポプラ文庫)

あらすじ
仕事も恋愛もぱっとしない岡野七子がたどり着いた、住宅街の洋菓子店「月と私」。そこには、お菓子にまつわる魅力的なエッセンスを引き出して、物語としてお客に届ける「ストーリーテラー」がいた――。さまざまな悩みを抱えてお店を訪れた人たちは、ストーリーテラーの語る物語と、内気だけれど腕利きのシェフが作る極上のお菓子に心解きほぐされていく。心を甘くやさしくときめきで包み込んでくれる、おいしい連作短編集。
Amazonより)

⬛︎ネタバレ注意⬛︎

読みながら書いているとりとめのない感想メモ。
すでにこの本を読んだ事がある人向けです。


2.0

とにかくおいしそうなお菓子がいっぱい出てくる。
ただ、お菓子の名前が「聞いたことあるけどどんな見た目だっけ?」って物が多くて都度都度画像検索をしながら読んでた。

ストーリーテラーの”語部”が悩みを抱えたお客さんに合うのストーリーを語りお客さんの胸のつかえが取れる&お客さんがキッチンにいるあまりにも美しいシェフの女性(パティシエじゃなくてシェフなの?)を見てうっとりって流れが定番化していた。

ストーリーテラーの話はお客さんの悩みに沿ってるしそれがこの店の醍醐味だから良いんだけど、毎回毎回美しいシェフの描写を書かれるのはしつこく感じてしまった…。
水戸黄門で言う紋所提示シーンなのかもしれないから1話ごとに時間をあけて読めば良かったのかも。

以下個別感想

1話目、2話目
レモンのケーキが好きだからシトロンが食べたくなった。フォークを入れて砂糖部分がシャリっと言う感じがたまらない。実際レモンの香りだけであんまり酸味が感じられない時があるんだけど、このお店のはちゃんと酸っぱそうで良い。

3話目
突如やべぇ話になるじゃん…。
てっきり疲れた人たちの心を癒やすほっこり話ばかりかと思ったら、突如の支配系男子と騎士系男子の無言の戦いが…。乙女ゲーのヤンデレルートかと思った。
幼い頃の「憧れのお姉ちゃんが人気者にならないで欲しい、自分だけを見て欲しい」って気持ちを抱いたまま、成長に伴いどんどん愛情が歪んで捻れてとんでもない執着野郎が出来上がっていた。

一旦令二とお姉ちゃんが和解したように見えたし最後は爽やかな感じになってたけど…

いやいやいや。無理だろ。

むしろお姉ちゃんはよく頑張ったよ、こんなの最悪のカスハラじゃん。
この後ずっと令二が「お菓子を美味しい」って言い続けてたとしても、こんだけ長いことカスハラ&モラハラされまくってたんだから、いつかまた何か言われるんじゃないかと内心怖い気持ちはずっとあると思うよ。まだ自分にも芽があると思ってるのがやばい。早くお姉ちゃんは語部と結婚しておいた方がいい。

語部が来るまではそんなにお店繁盛してなかったのによく閉店せずに持ったなと思ったけど自宅にお店作ってるのか、なら納得。

ティーブレイク
3話の後日談。これもすごく良かった。はよお付き合いしなはれ。

なんだかんだで最終的に麦と令二が付き合いそうな気がするけど、それはそれで修羅場か…。
今まで語部の表面的に素敵な部分は描かれてたけど、ここで初めて人間味のようなものが感じられてよかった(てっきり人間じゃないのかとも思ってた)。

「仕事以外で話しかけないで」って言うのは好き避けなんだろうか…。

4話目
今回のスイーツは特にめちゃくちゃ手が込んでそう。

会話形式が多かったからか、度々説明口調に感じる事がありキャラのセリフというよりは「これを書きたいからキャラに言わせたんだな」と思ってしまった部分が多かった。
あと、今の若い子は「ほっぺがおちる」とか言わなさそう。

この展開は読めてしまっていて驚きはなかった。なんとなくの違和感があった。

ただ、読んでる時にちょうど周りにピンクのものがあったから、このピンクの話を聞いた時すごくリアルだった。

リョウ1人でケーキ屋へ行こうとするのはリョウが1歩踏み出せたってことなんだろうけど、そこは誘いを断らず一緒に行けばいいのに。悩みの根底は一緒な友達ができたんだから。

5話目
うーん、麦のテンションがキツい…!!!
3話で出てきた時からそんなに好きではなかったけど、メインに据えられると余計好きになれなかった。
麦のことはあんまりだけど、両親がなくなってることは衝撃だった。

自宅とはいえ、改築してお店にして当初全然人が来ていないのにまた改装してリニューアルオープンて、お金ある家だなとおもってたけど両親の遺産だったのか…。

ただクイニーアマンはすごく美味しそう。たべたい。でもこんなにカロリーあるんだ…

6話目
わざわざ語部が載ってる週刊誌のページを破って麦に見せるために学校にもってきて、さも犯罪者みたいに言うところが令二の性格の悪い所よな。

買い物が終わったのにずっと店に居座る客共や、自分の店でもないのに語部の一存で店を閉めたり、自分の過去をストーリー仕立てで回りくどく話したりとか、とにかく気になる所が多かった…。

おそらくこの本の1番の山場はここなんだろうけど、全然感情移入して読めなかった。

偽装した商品説明書渡されてたとはいえ、販売には加担してたんだから何かしら罪にとわれないの?失踪する方がやばくない?

そしてなんで最後にそんなにこと言うの?って思ってしまった。好き避けだとしてもいい大人がわざわざ傷つけるような事言わなくても…令二とやってる事同じじゃん。(姉が片思いしてるから余計傷は深い)

あと姉の名前、糖花って…。ここまで姉の名前を出さずに今ここだ!ってタイミングでそんな安直な…と思ってしまった。
ちょっとここで読んでる私の中の世界観が一気に崩れたかも。

ただバターケーキは食べたい。

7話
姉と語部の出会いの話。

6話で私の中の好感度がだいぶ下がった中で読んだからあんまり刺さらなかった。

語部が姉や店を大改造した強引さは想像できてたけど、いきなりお店で勝手に接客しはじめたのは引いてしまった。ちょっとでしゃばりすきじゃない?
あと姉も姉で、野暮ったいのは仕方ないにせよ、清潔感の無い見た目はどうかと思った。美しくなった時との対比なんだろうけどずっともごもごしてるし、卑屈だし…そんなおばさんて連呼するほど歳いってないだろ。鈍感で自信の無い良い子ちゃんな乙女ゲーのヒロインタイプかも。

ただ「シェフがおばさんなら、私は寝たきりのじいさんです」って返しは面白かった。

エピローグ
やっぱり語部の好き避けだったのか。
冷たいけども内心溺愛系。

現実寄りのストーリーと思って読んでしまってたけど、どちらかと言うと「地味な女が美形の男と出会って大変身!冷たいセリフとは裏腹に溺愛されまくり!モテまくりの毎日に!?(でも本人は気づいてない)」な感じだったから、癒されストーリーを見たい人向けと言うよりは、恋愛系を読みたい人の方が向いてるのかも。

私には刺さらなかったけど、好きな人は好きだろうなぁという内容だった。(だから続刊でてるんだろうし。)

出てくるキャラが好きになれなかったことや、説明口調のセリフが多くて気になってしまったので一旦この巻だけ終わり。


累計:39,291 円
残り:960,709 円

感想
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